松田聖子の「チェリーブラッサム」は、1981年1月21日に発売された4枚目のシングルです。
作詞は三浦徳子、作曲は財津和夫、編曲は大村雅朗。春を思わせるタイトルとともに、恋によって新しい世界へ踏み出していく女性の気持ちが描かれています。
では、「チェリーブラッサム」とはどのような意味なのでしょうか。歌詞に登場する「新しい私」や、走り出す船、空や風の情景には、どのような心の変化が表れているのでしょうか。
この記事では、歌詞から明確に読み取れる内容と、そこから考えられる解釈を区別しながら、「チェリーブラッサム」の意味を詳しく考察します。
松田聖子の代表曲をまとめて知りたい方は、松田聖子 名曲ランキングTOP10もあわせてご覧ください。
松田聖子「チェリーブラッサム」の基本情報
| 曲名 | チェリーブラッサム |
|---|---|
| 歌手 | 松田聖子 |
| 発売日 | 1981年1月21日 |
| シングル | 4枚目 |
| 作詞 | 三浦徳子 |
| 作曲 | 財津和夫 |
| 編曲 | 大村雅朗 |
| B面 | 少しずつ春 |
「チェリーブラッサム」は、1980年の「裸足の季節」「青い珊瑚礁」「風は秋色」に続いて発売された松田聖子の4枚目のシングルです。
その後、1981年5月21日発売のアルバム『SILHOUETTE ~シルエット~』にも収録されました。
次のシングル「夏の扉」も、作詞・三浦徳子、作曲・財津和夫、編曲・大村雅朗という同じ制作陣による作品です。
「夏の扉」の意味・歌詞を詳しく考察すると、「チェリーブラッサム」から続く、恋によって新しい自分へ変わっていく女性像の違いも見えてきます。
「チェリーブラッサム」とはどんな意味?
「チェリーブラッサム(cherry blossom)」は、英語で「桜の花」「桜」を意味する言葉です。
桜は日本では春を代表する花であり、新しい季節や出会い、旅立ちを連想させます。
「チェリーブラッサム」の歌詞でも、主人公は恋をきっかけに、これまでとは違う「新しい私」へ変わろうとしています。
そのためタイトルの「チェリーブラッサム」は、春の桜そのものだけでなく、主人公の新しい人生や恋が開いていくイメージと重ねて読むことができます。
ただし、これはタイトルと歌詞全体から導いた解釈です。「桜が主人公の成長を象徴している」と作詞者が公式に説明したものとして確認できたわけではありません。
歌詞に「チェリーブラッサム」が登場しないのはなぜ?
この曲の興味深いところは、タイトルが「チェリーブラッサム」でありながら、歌詞の中でタイトルそのものを繰り返していないことです。
歌詞の中心にあるのは、目覚め、新しい自分、船、空、未来、風といった、前へ進んでいくイメージです。
つまり「チェリーブラッサム」というタイトルが、歌詞の一場面を直接説明するというよりも、曲全体を包む「春」「新しい始まり」のイメージを担っていると考えることができます。
桜が咲く季節と、主人公の恋が新しい段階へ進もうとする瞬間。この二つを重ねることで、曲全体に春らしい生命力が生まれていると解釈できます。
「新しい私」が意味するもの
「チェリーブラッサム」の中心にあるのは、恋によって自分自身が変わっていく女性の姿です。
主人公は、これまでの自分から何かが変わり始めていることを強く感じています。
重要なのは、誰かに無理やり変えられたのではなく、自分から前へ進もうとしているように描かれていることです。
恋する相手との未来を信じることで、自分自身の世界まで広がっていく。
「新しい私」とは、単なる外見の変化ではなく、恋をきっかけに未来へ踏み出す心の変化を表していると考えられます。
「走り出した船」は何を表している?
歌詞には、走り出した船と、その後ろに広がる白い波の情景が描かれています。
船は一度岸を離れれば、目的地へ向かって進んでいきます。
そのため、この船を主人公自身や、動き始めた恋の比喩として読むことができます。
特に歌詞では、船と愛がともに「走り出す」イメージで描かれています。
そこからは、もう立ち止まっているのではなく、相手との未来に向かって進もうとする主人公の勢いが感じられます。
ただし、「船=主人公の人生」といった明確な公式説明が確認できるわけではありません。船を人生や恋の象徴として捉える部分は、歌詞表現から導いた考察です。
「明日」に込められた恋への期待
「チェリーブラッサム」では、主人公と相手との間に約束があり、それが「明日」実現することへの期待が描かれています。
この「明日」という時間設定は、曲全体の前向きな雰囲気を作る重要な要素です。
過去を振り返る歌ではなく、主人公の視線はこれから訪れる未来へ向けられています。
恋がすでに完成しているというよりも、これから二人の関係がさらに進んでいく直前の高揚感を描いた歌と考えることができます。
青い空と「未来の夢」が表すもの
歌詞には、つばめが飛ぶ青い空と、そこに未来を描いていくようなイメージが登場します。
ここで印象的なのは、未来が最初から決められているものとして描かれていないことです。
二人がこれから自由に未来を描いていくという感覚があります。
青い空は広く、どこまでも続いています。
そのため、空の広がりと二人の未来の可能性を重ねていると解釈することができます。
主人公にとって恋は、単に相手を好きになることだけではありません。自分の未来そのものを明るく感じさせてくれる出来事になっているのでしょう。
夕日が沈む場面は別れを意味する?
歌詞の後半では、明るい青空とは対照的に、夕日が水平線へ沈んでいく場面が描かれます。
夕日という言葉だけを見ると、恋の終わりや別れを連想するかもしれません。
しかし、この曲の場合は「夕日=失恋」と断定するのは適切ではありません。
歌詞全体では、主人公の愛は相手へ向かって進み続けています。
さらに、夕日は終わりそのものではなく、次に訪れる夜へと時間をつなぐものとして描かれています。
そのため、この場面は恋の終わりというよりも、時間が移り変わっても主人公の気持ちは変わらず相手へ向かっていることを表している、と読むほうが歌詞全体との整合性があります。
「激しい風」は恋の不安を表している?
後半では、主人公が強い風の中にいるような情景も描かれます。
ここには、恋が必ずしも穏やかなものだけではないことが表れているようにも感じられます。
新しい未来へ進むときには、期待だけでなく不安や迷いも生まれます。
それでも主人公は立ち止まりません。
風に吹かれながらも、愛する人へ向かって進もうとしています。
したがって、この「風」を恋に伴う試練や心の揺れとして読むこともできます。ただし、これも作詞者による公式な説明ではなく、歌詞全体から導いた一つの解釈です。
「チェリーブラッサム」は失恋の歌ではない
松田聖子の楽曲には、恋の始まり、恋する喜び、別れ、未練など、さまざまな恋愛の場面が描かれています。
「チェリーブラッサム」は、その中でも未来へ向かって動き始める恋を描いた作品と考えることができます。
過去よりも未来を見ている
主人公が意識しているのは、終わった恋ではなく、これから相手と築いていく未来です。
明日への期待や、二人で未来を描いていこうとする気持ちが曲全体を貫いています。
恋によって自分自身も変わっていく
もう一つの特徴が、相手への愛だけでなく、主人公自身の変化が描かれていることです。
恋によって世界の見え方が変わり、自分も新しく生まれ変わっていく。
その意味では、「チェリーブラッサム」は恋愛の歌であると同時に、新しい自分へ踏み出す歌としても読むことができます。
「夏の扉」と比較すると分かる共通点
「チェリーブラッサム」と「夏の扉」は、どちらも作詞・三浦徳子、作曲・財津和夫、編曲・大村雅朗による作品です。
さらに、どちらにも恋を通して女性が新しい段階へ進んでいく姿が描かれています。
| 曲 | 季節のイメージ | 中心となるテーマ |
|---|---|---|
| チェリーブラッサム | 春 | 新しい自分・動き始める恋・未来 |
| 夏の扉 | 夏 | 恋の進展・変化・新しい段階 |
「チェリーブラッサム」では春を思わせる世界の中で恋が走り出し、「夏の扉」ではさらに季節が進み、二人の関係が変化していく様子が描かれています。
「夏の扉」の意味・歌詞を詳しく考察していますので、2曲を比べてみるのもおすすめです。
「風立ちぬ」と比較すると見える恋の時間
同じ1981年に発売された「風立ちぬ」と比べると、「チェリーブラッサム」の特徴がさらに分かりやすくなります。
「チェリーブラッサム」が新しい恋と未来へ向かって進む女性を描いているのに対し、「風立ちぬ」では秋の情景の中で、過ぎた恋への思いを抱えながら前へ進もうとする女性が描かれています。
春を思わせる「チェリーブラッサム」から、夏の「夏の扉」「白いパラソル」、そして秋の「風立ちぬ」へ。
1981年のシングルを順に見ていくと、季節の移り変わりとともに異なる恋の表情を楽しむことができます。
「風立ちぬ」の意味・歌詞を詳しく考察しています。
「チェリーブラッサム」が今も印象に残る理由
「チェリーブラッサム」の魅力は、恋の喜びだけではなく、「新しい自分になっていく」という高揚感が曲全体にあることです。
船、白い波、青い空、つばめ、夕日、風といった鮮やかな情景が次々と現れ、その中を主人公の恋が前へ進んでいきます。
また、三浦徳子による前向きな言葉の世界と、財津和夫の躍動感あるメロディ、大村雅朗の編曲が組み合わさることで、春の始まりに似た生命力を感じさせる作品になっています。
タイトルの「チェリーブラッサム」を歌詞の中で直接繰り返さず、曲全体から桜の季節を連想させるところも、この曲ならではの特徴といえるでしょう。
まとめ|「チェリーブラッサム」は恋とともに新しい自分へ走り出す歌
松田聖子の「チェリーブラッサム」は、1981年1月21日に発売された4枚目のシングルです。
タイトルの「チェリーブラッサム」は「桜の花」を意味します。
歌詞では、恋する相手との未来を信じ、これまでとは違う自分へ変わっていく女性の姿が描かれています。
走り出す船、青い空、未来、風といった情景を通して伝わってくるのは、過去を振り返る気持ちよりも、これから始まる人生への期待です。
桜が咲く春に新しい季節が始まるように、主人公の恋と人生も新しい段階へ動き始める。そのように読むと、「チェリーブラッサム」というタイトルと歌詞の世界が自然につながります。
ただし、「桜=主人公の成長」という部分は公式に示された意味ではなく、タイトルと歌詞から導いた考察です。
松田聖子の経歴や歌手としての魅力については、松田聖子とは?経歴と魅力で詳しく紹介しています。
ほかの代表曲については、松田聖子 名曲ランキングTOP10からご覧いただけます。
松田聖子の名曲をベストアルバムで楽しむ
「チェリーブラッサム」を聴いて、松田聖子の初期の名曲をもっと楽しみたくなった方には、代表曲をまとめて聴けるベストアルバムもおすすめです。
「チェリーブラッサム」は、1981年11月1日発売のベストアルバム『聖子・fragrance』や、1982年7月1日発売の『Seiko・index』にも収録されています。
「青い珊瑚礁」「夏の扉」「白いパラソル」「風立ちぬ」など、松田聖子の初期を代表する楽曲とあわせて聴くことで、季節ごとに変化していく楽曲の世界を楽しめます。
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